VMDの世界〜3つのゾーンに分けてみよう

2023.09.06
ビジュアル・マーチャンダイジングって言葉があります。
略して
VMD。この方がかっこいいんで以下こちらで省略します。

直訳ではないですが視覚的演出効果。
外国のえらい学者さんが研究して論理的に考えた、主に小売店向けのノウハウです。
この中に実践できるポイントも多いので、ご紹介します。


■VMDの守備範囲
ゾーニングと呼ばれる配置の考えに
レイアウト、陳列、POPなんかの論理的ノウハウが入ってきます。
ビジュアルって言葉がつかない「マーチャンダイジング」は単に商品をお客様に届ける活動の意味なので、空間を効果的に使って商品やサービスを提供する場合では、このVMDに特に注目する必要があります。
今回はその中での基本となるゾーニングについて深堀してみます。


■VMDで意識すべき3つのゾーン
アパレルなんかでは特に絶大な効果を発揮しますが、普通にどんな店舗でも通用します。
①VP(Visual Presentation)
空間全体のイメージを作る場所です。物理的にはファザード(外装)やショーウインドウにて表現。お店やブランド、企業の「イメージ」と「雰囲気」を伝えること。季節的にテーマに沿った重要商品を展示したりして戦略的に展開することもありです。

②PP(Point of Sales  Presentation)
細分化した構造、下記のIPの中を分類したコーナーにおいて「顔」となるモノのゾーン。
コーナーごとのバランス、VPとのバランスを見ながら一つ一つのモノへの導線を考えての設計となります。視線を少しずらしたり、照明でスポットを当てたりといった物理的演出も効果的です。

③IP
(Item  Presentation)
ひとつひとつの商品の陳列です。種類、デザイン、カラーなどお客様が選ぶポイントに沿った分類にて陳列します。もちろんそれが分かる案内表示も適格に行う必要があります。

商品の陳列や情報案内をまずはこのつに分けること。
そうすることによって強みやポイントが絞られてくるので、お客様も情報に迷わなくなります。
そしてそれぞれのゾーンに効果的な装飾をしていくという流れです。

コンセプトごとにもちろん違いますが具体的には・・・
VPには高級感はあるが割とシンプルなイメージとそれに伴ったシンボル的な商品を置き、装飾はイメージカラーで統一。
PPは少し先進的なモノをあえて配置。こんなのもできますよって感じで興味をひき、スポットなどで少し派手目に演出。
IPは徹底的に効率を考えて検索性を高め、お客様が取り出しやすいよう、什器にこだわる。
といった具合です。
商品(モノ・サービス)の配置と装飾はセットで考えてくのがいいです。


モノを販売する小売店が確かにイメージ沸きやすいですが、サービス業、オフィス、工場のレイアウト、カタログレイアウトやWEBオンラインショップの設計なんかにも応用できます。
❶全体イメージ
❷コーナー(ジャンル)でのピックアップと導線
❸個々の商品(パーツ)の分類


この視点で整理していくと、お客様(相手)が存在する空間において、見せるべきものをきちんと見せることができます。
 
 
ちょっとしたことですが、賢い学者の人たちが長年研究してデータを積み上げてきたスキルです。
こういったことはあくまで視点の問題。
コストをかけることもできますが、手間と労力だけでやれることもいっぱいあります。
ぜひ、一度こういう視点を持ってみてください。

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